ゾンビ屋れい也 リルケ編5


リルケに囚われてから、数週間。
たまに仕事に連れて行かれ、惨殺し、ゾンビ帝国のための軍資金を稼ぐ。
どんなに言われても、決して自分の手で人を殺めることはしない。
命令してやらせているのだから同じことだと言われれば、そうなのだが
人を切った瞬間、兄と同じ存在になってしまうのではないかと、怖かった。

相変らず帰り道は教えられず、居城で過ごし続ける。
やっていることは、実は家に居た時とあまり変わらない。
依頼をこなし、食いぶちを稼ぎ、生活していく。
けれど、どこか満たされないものを感じていた。

「れい也、今日も軍資金稼ぎに行くぜ」
逆らう余地も理由もなく、れい也はリルケの翼竜の傍へ行く。
だが、今日は目隠しをされないまま背に乗せられた。
どうせ周囲が崖で逃げようがないのだから、見せてもいいと思っているのだろうか。
お互い何も言わず、翼竜に乗った。

空から、周りの景色を始めて見る。
それは、れい也が予測していたものとはまるで違った。
周囲に崖などなく、普通の平地が広がっている。
しかも、遠方には自分が住んでいた街まで見える。
歩いて帰るのは億劫な距離、だが行けないことはない。
なぜ今になってこんな景色を見せたのか、れい也はリルケを見るが様子は特に変わらない。
その意図はわからないまま、れい也は景色を見続けていた。


今日も普段通りの惨殺が終わり、帰宅して、血を洗い流す。
リルケは珍しく干渉しようとはせず、一人にされる。
まるで、逃げろと誘導されているようだ。
絶好のチャンスを逃す手はないと、城の外へ出る。
特に監視の目があるわけでもなく、不気味なほど静かだった。

空から見た景色を思い出し、周囲を警戒しつつ進んで行く。
何者かが追いかけてくる気配もなく、すんなりと街へ辿り着いてしまった。
自分の願望の夢の中に居るのではないかと疑うほどあっけなく、拍子抜けする。
自宅へ行くと、普通に鍵が開いた。

懐かしい、自分の家に入る。
閉めきっていたせいで空気はよどんでいて、窓を全開にした。
自室は特に何の変化もなく、日常が戻って来ると実感する。
泳がされているだけかもしれないが、ひとときの安息にれい也は息を吐いた。


追手も来ないまま、数日後。
依頼をこなし、食いぶちを稼ぎ、生活していく。
仕事の内容は違えど、やっていることはやはり居城に居たときと同じだった。
そして、やはりどこか満たされないものを胸中に感じる。
金には困っていない、生活に不自由してもいない。
それなのに、この喪失感や虚無感のようなものは一体何なのだろうか。

もやついたものを抱えていた、ある夜。
激しい羽音が聞こえ、れい也はベランダを見る。
そこには、リルケの翼竜が窮屈そうに降り立っていてぎょっとした。
れい也を見ると、迎えに来たと言わんばかりに鳴く。
逃がして、戻そうとして、一体何の気まぐれだろう。

「連れ戻しに来たんだろうけど、わざわざ戻る意味なんてない。帰りなよ」
翼竜はれい也ににじり寄り、小さく鳴く。
こうして見るとペットのようだけれど、人食いの物騒な生き物だ。
れい也が立ち止まっていると、翼竜は諦め飛び去って行った。
見えなくなるまで、飛び去った後を見送る。
後ろ髪を引かれるような感覚があるのは、まだ戻って来た日常に溶け込んでいないからだろう。


それから、さらに数日後。
満たされない何かはさらに大きくなり、気力を削いでいく。
依頼をこなし、食いぶちを稼ぎ、普段通り生きていく。
普通の生活をしているだけなのに、なぜ以前と違うのだろう。
たまには、闘争に巻き込まれるような物騒な依頼でもこなしてみようかと、受けたこともあったが
そんな刺激があっても、何も変わらなかった。
きっと、リルケと共に血を浴びていたせいで慣れてしまったのだ。
居城での生活が、脳裏をちらついていた。

そんな夜、タイミングを見計らったかのように再び翼竜がベランダに降りてくる。
れい也は、翼竜をじっと見て考え事をしていた。
何も言わないでいると、翼竜が背を向け飛び立とうとする。
その瞬間、反射的にその背に乗っていた。


翼竜は、れい也を主人の居城へと連れて行く。
城へ降り立ったとき、すでにリルケが待ち構えていた。
「やっと帰って来たか。案外時間かかったな」
なぜ、自分はここにいるのだろう。
自由の身になったはずなのに、リルケと再び対峙している。
自問自答している最中のれい也の腕を、リルケが引く。
れい也はそのまま、寝室へ連れられて行った。

リルケはれい也をベッドに座らせ、自分も隣に腰を下ろす。
「どうだったよ、久々に一人に戻って」
れい也は、伏し目がちのまま何も答えない。
未だに、自分の行動が信じられないように茫然としている。
「大方、俺様のことが恋しくなって戻ってきたんだろ?」
「・・・そんなわけ、ないだろ・・・」
かろうじて拒否する声は、弱弱しい。

「じゃあ、平和な依頼に飽き飽きしたのかよ。もっと惨殺したい願望が芽生えてきたのか?」
「・・・そんなわけ・・・」
なぜ、声を張り上げて否定できないのだろう。
悪魔の言葉を、跳ね除けたいのに。
そんな様子を見て、リルケは口端を上げて笑む。
そして、ふいにれい也の身を抱き寄せて自分の太股の上に座らせた。
急に密接になり、れい也はリルケを見上げる。


「何で戻って来た?言ってみろよ、その理由を」
れい也は、固く口をつぐむ。
声に出してはいけないと、何かが抑制する。
その口を割ってやろうと、リルケはれい也に唇を重ねた。

「う・・・」
貪り食らうような性急なものではなく、どこか穏やかなものが感じられる。
そんな雰囲気に動揺したのか、舌先がゆっくりと唇をなぞると、隙間を開いてしまっていた。
それはゆっくりと中へ進み、お互いを絡ませ合う。

「は・・・ふ・・・」
こんなに緩やかな触れ合いは初めてで、れい也は自然と目を閉じる。
ただ欲望に任せるだけの行為ではなく、相手の温度を確かめ、じっくりと味わっている。
リルケは、れい也の後頭部に手をやり、髪に指をくぐらせる。
むずがゆいような感覚がしたけれど、振り払うほどのことではない。
長く、深い交わりは、まるで感じてはいけない感情を覚えさせようとしているかのようだ。
リルケのそんな態度が意外すぎて、れい也は変な緊張感を覚えていた。

やがて、ゆっくりと唇が離される。
口付けの一回だけで、れい也の息は熱を帯びているようだった。
「何・・・何なんだ・・・らしく、ない、こと・・・」
「あぁ?もっと乱暴にしてほしいってか」
そこは、首を横に振って否定する。

「さてと、ちゃんと兄貴の所に戻って来たご褒美をやんなきゃなァ」
リルケの手が、するりとれい也の背後に回る。
そして、力任せにズボンを半端にずらした。

「お、おい・・・っ」
「どうせ禁欲生活が続いてたんだろ?久々に解してやるよ」
れい也の意思などお構いなしに、リルケは下着の中の窪まりへ指を伸ばす。
そして、中指を窪みに当て、遠慮なく中へ埋めた。
「うう・・・っ!」
思わず、れい也はリルケの服にしがみつく。
久々に異物が侵入し、そこはきつく収縮した。

「指一本でこれかよ。そこそこ時間かかりそうだな」
それでも、リルケは楽しそうに笑む。
反発してくる個所へ指を深く入れると、れい也の体が驚いたように震えた。
「初めてじゃねえんだ、もっと力抜けよ」
れい也は羞恥心を堪えるよう俯き、奥歯を噛み締める。
自分の中でリルケの指が前後に動くと、喉の奥からくぐもった声が発された。

「顔伏せてんじゃねえよ、ほら」
リルケはれい也の顎を取り、上を向かせる。
秘部に入れられ、刺激を受け、頬はもう赤い。
快楽に溺れまいと堪えている様子が、リルケを欲情させていた。

だが、早急に事を進めようとはしない。
下半身を責める指は動かし続けているが、あくまでじっくりと解すつもりだ。
上下運動を繰り返し、徐々にれい也を緩ませる。
乱暴ではない行為の進め方に、れい也は結んでいた口を開く。
肩をわずかに動かし、気を落ち着けるように深く息を吐いていた。


しばらく指一本での行為が続いたが、やがて後ろがほとんど収縮しなくなる。
そこへ、リルケは指を増やしさらにれい也の中へ埋めた。
「う、ぅ・・・」
時間をかけて挿入されていただけに、刺激はさほど強くない。
リルケは、二本目の指も奥まで進めて行く。
そこはだいぶ緩んでいて、痛みを伴うことはなかった。

なぜ、こんな生易しいような、じれったいようなことをしているのか。
まさか、いつの間にか労わりの精神が芽生えたとでも言うのだろうか。
体力的にはありがたいのだけれど、心境を読み取ろうとすると不気味に思えた。

窪みが、だんだんと異物を受け入れやすくなる。
リルケが指を抜くと、れい也は大きく溜息をついた。
前の方はとっくにきつくなっていて、かなり窮屈だ。
それはリルケも同じで、密接になっている下半身が当たっていた。

リルケはれい也の下着をずらし、前のものを解放させる。
そして、同時に自分のものも外へ曝け出した。
自然とお互いの性器が触れ、れい也は息を詰まらせる。

「弟に欲情して・・・変だ、変態・・・」
「お前だって、兄貴に掘られて勃ってんじゃねえか」
きっと、お互い人間に欲情しているだけだ。
周囲にはゾンビしかいない、唯一の人間は兄弟だけ。
相手にするには、その一人しかいないのだ。

「そろそろ、一緒に愉しもうぜ・・・」
リルケがおもむろにれい也の体を持ち上げる。
そして、指を入れていた個所へ自分の昂りをあてがった。
れい也は怯み、リルケの服を握る。

「いい加減、服が伸びるだろうが」
リルケはれい也の手を解き、自分の背に回すよう誘導する。
そうして、支えていた身下ろし、自分のものへ落としていった。

「う、あ・・・!」
指とは違う圧迫感にれい也は呻き、反射的にリルケの背にしがみついていた。
慣らされる時間が長く、引き裂かれるほどの痛みよりも、他の感覚の方が強い。
れい也は膝で体を支え、落ちないよう止める。

「今更、抵抗してんなよ」
リルケは、力を奪うようれい也の首の血管を舌から上へ弄っていく。
「は、っぁ・・・」
下腹部以外の刺激に、れい也は身を震わせる。
ちょうど血管の辺りを柔いものが這い、力が抜けてしまう。
すると、身が落ちてしまいリルケのものがさらに埋められていく。

「ほら、前みたいに根元まで咥え込んでみろよ」
「うぅっ・・・」
れい也は必死に体を支えようとするが、自重にさえ負けそうになる。
身を震わせて耐えている姿を見て、リルケのものは肥大していた。
「そうやってもどかしいところで抑えてるつもりか?欲しくて堪らねえんだろ・・・」
リルケはれい也の耳元で囁き、舌をその中へも進める。

「あ、ぁっ・・・」
悪魔の囁きに、脳が揺さぶられる。
卑猥な感触が耳を弄り、また力が抜ける。
押し付けられているわけではないのに、自らリルケを埋めていってしまう。
じりじりとした痛みが広がるさなか、悦の感覚も強まる。
とうとう、体はリルケの太股に座る形になってしまった。
自分の中の奥深くから、他人の温度が伝わってくる。
気付けば、れい也はリルケの体に必死にしがみついていた。

「っ・・・やっぱいいモンだろ。奥の奥まで暴かれて、突き上げられて・・・」
「そんな、こと・・・っ」
「否定するつもりか?お前はこれが欲しくて戻って来たくせによ」
リルケは腰を動かし、れい也の奥を突き上げる。
「あぁっ・・・!」
もはや、高い喘ぎを抑えることを忘れる。
リルケが腰を揺らすとベッドがきしみ、全体に衝撃を与えていた。
激しくなるだろうかと思った矢先、リルケは動きを止める。
それを最奥に留めたまま、じっと繋がっていた。


数分、そのままお互いは動かない。
れい也はただ肩で息をして、溜まっていく熱を少しでも出そうとしていた。
いつまで続くのか、そう問いたかったが、刺激を求めている淫乱のように思われては困る。
今後も、行為が進めやすくなるように拡張させようとしているのだろうか。

「なァ、何で戻って来た?翼竜に引っ張られたわけでもねえだろ」
この状況で聞くかと、れい也はおぼろげな思考で考える。
気付けば乗っていた、なんてことでは納得しないだろう。

「・・・ここのほうが、荒稼ぎできそうだったからかな・・・」
自分でも、答えに疑問符がつく返答。
けれど、金以外の目的で来る理由なんてあるのだろうか。
その答えが気に入らなかったのか、リルケはれい也の前のものを掴む。
「いっ・・・!」
刺激が加えられ、後ろがきゅっと収縮する。
そのせいでリルケの肉を鮮明に感じ、心臓が鳴った。

「そんな建前が聞きたいわけじゃねえんだよ。引っ掻かれてえか」
敏感な個所に爪をたてられ、れい也は怯む。
黙っていると、爪はじわりと皮膚に食い込んでいく。
起ちきっている状態で傷付けられたら、きっとおびただしい量の血が噴き出す。
れい也は焦って答えを探すが、どうにも言葉が出てこない。
リルケの爪は食い込んだままで、危機感が募る。

「・・・から、ない・・・」
れい也が、ぽつりと呟く。
「わからない・・・。どうして・・・自分でも、何で素直に戻って来たのか、わからないんだ・・・っ」
取り繕うことはせず、本当の気持ちを伝える。
自分でも説明しようがないことを、どうやったら言えるだろう。
こんな答えでは裂かれるかと思いきや、リルケの力は緩んでいた。

「まだ自覚してねえのか。まあ、それならまだ刻み付けてやるだけだ」
今度こそ切られる、とれい也は身を固くする。
けれど、予想に反してリルケは前のものをいやらしく撫でるだけだった。

「う、うぁ・・・」
柄にもない行動に、動揺しつつも高揚する。
まるで、優しい行為を体が望んでいるかのようだ。
リルケは自身を奥に留めたままで、れい也のものを擦る。
広い掌を上下に動かし、全体をまんべんなく愛撫していく。

「は、あ、ぁ・・・ぁ・・・」
手が往復するたびに、体はリルケを締め付ける。
動作が緩やかな分、収縮も弱い。
回数だけが重ねられ、そのたびにリルケを感じる頻度が多くなる。
肉体的に犯されていることは確かだが、それ以上に精神面で追い詰められているようだった。

高揚のさなか体力は徐々に奪われ、れい也はリルケの肩に顎を乗せてもたれかかる。
自分に身を任せてきたことに気付くと、リルケのものは反応する。
じれったい行為が限界に来たのか、リルケは急に腰を動かしれい也を突き上げた。

「うあ・・・っ、あ・・・」
急に揺り動かされ、声が裏返る。
じわじわと高まってきていた欲はわずかに溢れ、先端を濡らしていた。
リルケは指先でれい也の先走りをすくい、身にねっとりと擦り付ける。

「こんだけ先走って、嫌嫌なわけがねえよな?」
「ひ、っ、あ」
粘り気のある感触が、欲をさらに出すことを助長する。
同時に、リルケはベッドを軋ませれい也を攻め立てていた。
座り込んでいるせいで、常に最奥にリルケの先端が当てられる。
とても、足を踏ん張って軽減させることができない。
長い行為のせいで、悦楽の波に逆らえない。
前を擦られ、後ろを突き上げられ、どくりと脈動した。

「あぁ、は、っ・・・や、あ、あぁ・・・!」
リルケの掌に、れい也の欲望が吐き出される。
そして、窪みは急激に、何度も縮こまりリルケを圧迫した。
「ッ・・・」
長時間の行為に欲が溜まっていたことは同じなのか、リルケも息を吐く。
そして、その最奥へ自らの精を注いでいた。

「う、ぅ・・・」
以前にも感じた粘液質な感触に、れい也は眉をひそめる。
中はリルケのもので隙間なく塞がれていて、一滴も流れ落ちてくれない。
終わったら早く抜いてほしかったが、その気は全くないようだった。
そのままの体制で、リルケはれい也の口に覆い被さる。
開いたままの隙間から舌を差し入れ、静かに重ね合わせた。

「ふ・・・ぁ・・・」
欲が昇華された今、交わりはひときわ穏やかに感じられる。
まるで、性欲を満たすためではなく、ただ想い合っている二人がするような。
そんな考えがふと脳裏をよぎったが、不気味すぎてすぐに掻き消された。
舌が口内をひとしきり這った後、ゆっくりと抜かれる。
上は開放されても、下はまだ繋がったままだ。

「終わったんなら・・・もう、いいだろ・・・?」
「わかったかよ、何で戻って来たのか」
しつこい問いかけに、れい也は余韻が残る脳で今一度考える。
戻って来たのは、金のためではない。
家で感じていた虚無感、それを埋められるものが欲しかったからだ。
それは命の危険に晒される、物騒な依頼だろうか。
ふとそう考えてみると、今は虚無感が消えていることに気付く。
まさか、そんなはずはないと、結論を出す前に心のどこかで歯止めがかかった。

「・・・わからない。そんな簡単に、思いつかない・・・」
思いつきたくないというのが、本心かもしれない。
これ以上考えてはいけないと、思考が拒否している。
「それなら、仕方ねえな」
そう言って、リルケは身を引いて行く。
だが、簡単に開放するはずはなく、一気に押し戻した。
「ああぁっ・・・!」
達したばかりの体はかなり敏感になっていて、一瞬気が飛びそうになる。

「覚悟しな、その体が自覚するまで突き上げてやるよ」
「そ、そんな・・・わからない、のに・・・」
情けない声を無視し、リルケは再びれい也のものへ手を伸ばしていた。


肉が前後に動かされるたびに、卑猥な液が入り混じる。
中には何度もリルケの精が出され、もはや快楽以外の感覚は感じない。
粘液質な音は一向に鳴りやまず、れい也の耳も犯し続ける。
腹部の辺りは、自分の白濁でべとべとに濡れていた。

「なァ、言ってみろよ、れい也・・・」
一回達するたびに、同じ質問が投げかけられる。
悦楽の波に飲まれ、まどろむ思考の中、れい也は弱弱しく首を横に振った。
言わなければ凌辱は終わらない。
だが、言えば認めてしまうことになる。
喘ぎ声もかすれるほど、体力が奪われていたが
ぎりぎりの意地が、言葉をせき止めていた。

「こ・・・の・・・絶倫、筋肉ダルマ・・・」
リルケは面白くなさそうに奥歯を噛み、れい也の身を思い切り突き上げた。
「ひ、あ、あぁ・・・ぁ・・・」
精神も肉体も犯し尽くされ、れい也の目の前がふっと暗くなる。
あまりの衝撃に耐えきれず、とうとう意識を手放していた。

「チッ、案外頑固な奴だ。・・・まあ、それはそれで愉しめたけどな」
反応しなくなったれい也を見て、リルケはやっと身を引き抜く。
すると、飲みきれなかった白濁が窪まりから零れ落ちていった。
れい也の中は自分の精で溢れていることを見ると、リルケはたまらなく高揚していた。

「お前が素直になるまで、いつまででも刻み付けてやるよ、れい也・・・」
気を失った今でも、れい也の腕は未だ背に回されたままでいる。
行為の間、それは一度も離されることはなかった。
口で言わずとも、体は正直な反応を示す。
早く、精神面も支配してやりたい。
恐怖であれ、怨恨であれ、自分のこと以外目に入らないよう、鮮明に刻み付けてやりたい。
幼少期からの欲望は膨れ上がり、強烈な支配欲に変貌していた。

リルケは端から端までじっくりと、れい也の唇を弄る。
次は、全身弄り尽くして悶えさせてやろうか。
想像すると、また下半身が熱くなるようだった。